不倫慰謝料(不貞行為)の裁判例

以下に参考となる裁判例と書式を掲載させていただきます。

こちらに掲載しているのはあくまで例ですので、事案に応じて使えるものと使えないもの、適したものと適さないものがあります。

裁判例や書式の使用にあたっては、専門家である弁護士に相談をすることをお勧めします。

 

不倫慰謝料(不貞行為)の裁判例の概要

詳細についてはリンク先の各ページをご覧ください。

 

不法行為責任について

不倫慰謝料に強い弁護士
不倫慰謝料の請求をされたら

不貞行為の一次的責任については、不貞に及んだ配偶者が一次的に責任を負うべきだとされています。

 

不貞配偶者(不倫をした配偶者)を許している場合は、交際相手に対して認められる慰謝料の金額について減額要素となる場合があります。

 

慰謝料が認められない例としては、交際相手に未婚であるか調査すべき義務があったとはいえず過失がないとされた事例や、交際相手に故意・過失があったとまでは認めがたいとして請求棄却となった事例があります。

 

また、請求者も不倫している場合には、「自ら不貞行為をして背信行為を継続している場合には、不倫慰謝料を求めることは信義誠実の原則に反し権利の濫用として許されない」などと判断されています。

 

不倫慰謝料請求裁判の移送手続

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不倫慰謝料の請求をされたら

不貞行為に基づく慰謝料請求訴訟が地方裁判所、離婚訴訟が家庭裁判所において審理されている場合、慰謝料請求訴訟について地方裁判所から家庭裁判所へ移送の申し立てをすることができます(人事訴訟法第8条1項)。

 

この移送の申立については、移送が認められる事例(平成25年2月20日横浜地方裁判所)、認められない事例(平成28年1月15日東京地方裁判所決定)それぞれあり、個々の事情によって変わってくるようです。

 

和解後の和解金不払いの場合の違約金

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不倫慰謝料請求されたら

和解後に和解金を支払わなかったことから違約金として過大な金額を請求された場合、裁判例では、不貞行為による損害賠償という本件事案の性質に照らし、社会通念上、容認することができない不当かつ不合理な合意とされ、そのような契約書は暴利行為ないし公序良俗に反し無効であると判断されています(東京地方裁判所平成21年1月28日判決)。

 

連絡接触禁止条項の違約金の有効性

慰謝料に強い札幌の弁護士
不倫慰謝料請求をされたら

再度の不貞行為を防止するための連絡・接触等を禁止する条項の違約金額が過大な場合、裁判例では、連絡・接触等禁止が保護する利益の損害賠償の性格を有する限りで合理性を有し、著しく合理性を欠く部分は公序良俗に反するというべきであると判断されています(東京地方裁判所平成25年12月4日判決)。

 

既婚者が独身と言って交際し、交際相手から慰謝料を請求されたケース

慰謝料に強い弁護士
不倫慰謝料の請求をされたら

既婚者であるにもかかわらず、独身である、あるいは独身であるかのようにふるまって交際し肉体関係を持った場合、離婚して結婚するつもりであるようにふるまった場合でも、交際相手の人格権・貞操権(性的自由)を侵害するもので不法行為を構成し、慰謝料の支払義務が発生するとされています。

 

もっとも、ケースバイケースですので、すべての事案で慰謝料が発生するとは言えませんが、多くの場合で慰謝料の支払義務が発生する可能性があります。

ただし、その際の慰謝料額は20万円~80万円程度であることが多く、不貞行為の慰謝料額に比べると低額であると言えます。

 

夫婦の一方と不貞行為に及んだ第三者に対する離婚に伴う慰謝料請求の可否

慰謝料に強い弁護士
不倫慰謝料の請求をされたら

平成31年2月19日、最高裁において「夫婦の一方は、他方と不貞行為に及んだ第三者に対して、上記特段の事情がない限り、離婚に伴う慰謝料を請求することはできないものと解するのが相当である。」との判断がされています。

 

調査費用(探偵・興信所等の費用)の負担について

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慰謝料請求にかかる調査費用は誰の負担か

不貞行為慰謝料を請求するにあたり、利用した興信所や調査会社の費用、探偵費用などの調査費用が認められるのか、裁判例によって肯定・否定の判断が分かれています。

 

 

(参考裁判例とその要旨)

・東京地方裁判所平成28年10月27日判決

 調査費用のうち不法行為(不貞行為)と相当因果関係のある損害と認めるのが相当なのは10万円である。

・東京地方裁判所平成30年1月23日判決

 調査費用の支出が不法行為から通常生じる損害にあたると認めることは困難であり、相当因果関係は認められない。

・東京地方裁判所平成30年2月1日判決

 調査費用は証拠収集費用であるところ相当因果関係は認められない。

・東京地方裁判所平成30年2月15日判決

 慰謝料算定における増額事情として考慮されることはあっても、独立した損害としては認めるに足りない。

・東京地方裁判所平成30年2月26日判決

 同調査により不貞相手が被告であると確定するに至ったと認めるに足りる証拠もなく相当因果関係があるとは言えない。

配偶者に対し慰謝料の支払債務を免除した場合

不倫慰謝料に強い弁護士
慰謝料の支払免除

不貞行為による慰謝料の支払義務は、不貞行為をした配偶者とその交際相手との連帯債務(不真正連帯債務)となりますが、一方配偶者に対する支払義務を免除した場合でも、交際相手に対しては引き続き慰謝料請求が可能です。

もっとも、免除はされないとしても配偶者に対して免除したという点は慰謝料の算定に当たって減額の考慮事由となりえます。

 

慰謝料支払義務者が自己破産し免責決定を得た場合

不倫慰謝料に強い弁護士
慰謝料を支払う側が自己破産したら

不倫慰謝料の支払義務を負う人が自己破産手続において免責決定を受けた場合、慰謝料の支払義務は免除されるのでしょうか。

これまでの下級審の裁判例ではほぼ一貫して「非免責債権には該当しない」との裁判例が出されています。

 

海外で不貞行為を行った場合

慰謝料に強い弁護士
不倫慰謝料を請求されたら

海外で不貞行為が行われた場合でも、不貞行為に基づく慰謝料請求は認められるのでしょうか。

裁判例では「複数の結果発生地がある場合における不法行為の準拠法は,最も重大な結果が発生した地を結果発生地とし、結果発生地間の結果の軽重を決しがたいときには最初に結果が発生した地を結果発生地とすべきである」と判断しており、結果発生地がどちらになるのかという点が重要な争点になってくるでしょう。